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最終章 君の想いをきかせて 二十七
「全く世話の焼ける、カップルだったわよ。今度こそ幸せになんなさいよ!」
大貫に背中をドーンと叩かれて誠は少し顔を赤らめる。
式は人前式だった。
目の前にいる人が全員結婚の承認者だ。
大貫が笑顔で仕切ってくれた。
二人はみんなの前で結婚を誓い、指輪を交換すると、キスを交わす。
一人もからかう声などあげることなく、みんな真剣な眼差しでそれを聞き、温かな笑顔で拍手をしてくれた。
「さぁ、ここで新郎の早坂誠さんから挨拶です!」
誠の隣には貢が寄り添っていた。
「今日はみんな集まってくれてありがとうございます。以前、僕が受け持った挙式でもこんな風に温かな結婚式だったことを思い出しました。縁っていうのはどこからどんな風にくるかわからないです。でもそれは絶対前向きに捉えていいことなんです。何故なら人はみんな幸せになる権利を持っているから」
視線を隣にいる貢に落とすと彼も微笑んだ。
貢はもう目を真っ赤にさせて今にも涙を零しそうだ。
「誰がどんな風に誰かを愛しても、その愛はみな平等だ。僕は心から貢を愛している」
「僕も誠さんを愛しています」
「ここに二人の結婚を認めます!」
大貫が高らかに宣言すると、一斉にクラッカーの音が鳴り響きみんなの歓声が上がった。
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