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第一章 高貴な遺伝子 十
俺たちの先祖が核戦争の後、地下で過ごした数世紀中に、俺らの種族ができたと言われている。
最初は人類が生き残る事が最優先だった。一番優秀とされた遺伝子をもつものは、厳選された作物や家畜のなかでも異常のないDNAを持つ物を生産し、食物として取り込んだ。
そのおかげか何世紀もの間に鉱山でいうダイヤモンドのような優れた遺伝子を持つものが特に集まるようになっていた。
それが後の俺たちアルファ種だ。
施設は地下百五十階にも及ぶ大施設となった。 最下層が一番放射線からの影響の少ないアルファ種、そしてその上がベータ種、そして地上に近い、一番逃げ遅れた人間は種の存続をかけた進化を必要とする環境下で生きていかざるを得なかったオメガ種。
オメガ種は特に人間が猿から類人猿、そして今の人類になったようにその遺伝子のみならず、生態系も順応するように変化して行く。
女性のみならず男性も生殖器が発達し、種の存続をかけ生き残るための進化を遂げたのだ。
俺たちアルファ種は地中に潜りすぎたのか、自らが繁殖する能力はどこかで退化してしまったようだ。
中間層のベータと交わる事で繁殖を続けていた。
ベータは特に優れているというわけではない人間が集まったが、かつての人間の生活ととても似た生態であり、日常を営んでいた。
地上が少しづつではあるが、本来の姿形に戻るまで、すっかり人間も進化をしていた。
オメガ種が少しづつ本来の姿に戻りつつある地上に上がり、それに倣う様にベータ、そしてアルファも地上に戻って行った。 しかしアルファは当然、綺麗な空気、水、などを好む。
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