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第二章 講義 一

 翌日午前中の十時から二コマ、地球環境と過去の生態についての授業がある。  俺たちは築四十年は建つ城に似た建物の中で日々勉強をしている。  建造物が過去の西洋の建物に準じているのは、ちょっとした遊び心でもあった。  すべてがつるりとした面白みのないドーム状の建築では、精神衛生上よくない。  かつて21世紀頃の地球を再現することで人工的なものだけではない自然を見ることが重要とされ、植林活動もされた。  そして、人の手で作られた芸術的な建築物が心を豊かにすると言われ、かつて建造された建物の復興も進んだ。  俺たちは大学では人の遺伝子に関する研究開発、新しい薬品を作るための研究や勉強をすることになっている。  今はそれの基礎を習っていた。  医学部ではさらに人体の遺伝に関する分類研究科の方が進んでいた。  病気の原因が国が認可している医療用アンドロイドの解析でわかれば、直接薬局へ処方箋を出してもいい。  とにかく検査キットや個人の担当医療アンドロイドがいれば、血液だけでどの部分の何が悪いのかが診断できてしまうのだ。  検査通知があれば薬を処方し、直接DNAに働きかけ体が正常に働くのを促す。    各自の専用医療アンドロイドは、毎日のように人々の健康管理データを保険所に送っているシステムになっている。向こうからの呼びかけなどや投薬についての説明も順次行われていた。  もちろん俺にも俺専用の医療アンドロイドがいる。

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