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第三章 隠れオメガ狩り 四

 もちろん通常はそれらにはリミッターがかかっていて主人であるものが解除しなければ発動はしない。 「あなたが何かとても大事なことを隠しているからよ」 「そう言いながら時間稼ぎをするのは止めて下さい。言いながらもあなたは中央都市のマザーコンピューターに入り込み、私たちの情報を探りだそうと交信している」    その時物凄い轟音とともに家全体が揺れた。  家そのものは木造建築に見えるが、実は1つの小さなドームのような作りだった。あまりの揺れに俺たちは咄嗟に外に飛び出した。  このままでは家を壊されてしまう。  外に出ると、夕陽の浮かぶ空に大きな飛空艇が飛んでいた。 「危ないっ!」  咄嗟に琉が俺の上を庇うように覆うと、その更に上にエムルとサエカが重なってきた。  辺りはまるで竜巻にあったように崩れ、何もかもが吸い上げられていくように上空を風が舞う。  俺たちの体ですら吸い込もうとしている。  黒い船体には白枠がしてある大きな赤い文字でOrder Police Corps(秩序警察隊)と記されてあった。  凄い力で吸い上げられて、俺たちの体が宙に浮かび上がろうとした。 「うわぁあぁあ、琉!」 「アヤト!」  サエカとエムルが一斉に背中から銀色の翼を広げ飛行モードに入った。そのまま俺たちをそれぞれ掴み俺たちはあっという間に吸い上げられた。  気づくとそこは暗い部屋だった。  体が動かない。手や足が拘束されてしまっている。  暗闇からふと薄っすらとした灯りが開かれたドアから差し込んできた。奥からカツカツと靴の音が聞こえる。  制服を着たいかつい顔をした警官が一人。 「羅姫アヤト、お前の両親は薄情だな。そして自分らの罪を逃れるためにお前を置き去りにして火星へ逃げ延びた。お前自身が罪を受けるわけではない。お前はあるべき場所に戻るだけだ」 俺は今置かれてる状況に混乱した。そして目の前の男が言っている言葉の意味がわからない。 「エムルはどこだ? 仲間はどこにいる?」 「仲間のことを心配している場合ではないだろう?」

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