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第四章 発覚と抵抗 十七

「なぁ、オメガっていうのはベータに近いところがあったりするのかな?」 「それはありません。オメガはアルファとベータとは少し性質の違った血を持っています。けれど、アルファとベータからもベータ同士からも、アルファとオメガからもオメガは生まれるんですね」 「俺は自分と同じような特殊だと言われる人間を探したくて、色々エリアを広げてあちこち探してたりしてたんだ。それがアルファでもベータでもオメガでもいいから」 「だから、お前、中央都市の付属高校や大学にもよく行ってたんだな」 「ああ、いままで俺と同じタイプの人間に会ったことがないんだ。かなり症例が少ないのかなとも思っていた。……お前も、そのっ、そうならば、俺はもっと勉強しなければ」  俺は改めて琉の目を見た。彼の目はまっすぐ俺を見ていて、そして、今まで俺に言えなかったことを全部言えたからだろうかどこか重苦しそうな気持から解放されたようにも感じられた。 「……琉、ごめんな。そういう特殊な例があることも知らずに、お前の行動をあれこれ非難してしまった。俺は……」  俺が肩を落として言うと、琉は真剣な面持ちで首を横に振った。 「いいんだ。気にするな。むしろ俺は自分の種族のことをもっと知りたくなった。いや、むしろ俺はお前がオメガであることを確信出来てむしろ……」 「……ん?」 「いや、なんでもない……」 「琉……俺はこれからどうしたらいいんだ」  正直、この先自分がどう生きて行ったらいいかわからない……。   「すべてをリセットすることが一番いい」 「リセット?」 「ああ、何もかも、気持ちを開放して、そして自分を大事にすることから始めるんだ。すぐに気持ちがまとまらないのなら、俺でよければお前の傍にいて、助けたいと思う」 「琉……」 「俺では頼りないか?」  俺は首を振った。 「この世の中に生きている人をみんな大事に思う。みんなが平等に生きて行けるように……俺と一緒に研究しよう、自分がどういう人間なのか、そして差別をなくしたい……」

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