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第五章 運命に抗いたい俺たち 十八

 そうか……あいつ琉が好きなんだったっけ……。  琉は……?フロンの事どう思っているのだろう。まんざらでもないのかもしれない。  あんな風に自分の気持ちに素直なフロンがどこか羨ましくも感じた……。  俺? 俺は……?  考えると頭が割れるように痛くなってくる。熱だけでなく頭までおかしくなってきたのか。体も熱い……。  1,2度苦しさに呻いた。   「アヤト、大丈夫か?」 「……苦しい……な、なんだか……体が熱い……」    学校の体育館で感じたものよりももっと強い何かが俺のわからないところで溢れてくる。 「……琉、これは天罰なのかもしれないな……人を差別していた俺の、浅はかな俺への……」 「そんなことない」 「俺は自分の血におごり高ぶってた、そしてたぶん多くのオメガを傷つけたに違いない……だからそんな俺だから、神が罰を……俺が愚かな人間だから……」  琉の腕が伸びるとそっと俺を包み込んだ。 「誰だって自分が『未知の者』になれば怖い、不安になる。それだけのことだ。たまたまそれがアルファからオメガだったってことだ」  琉に包まれて人の温かさが今の俺にはありがたいと感じる。 「琉はいつでも優しいな、俺にだけじゃない、他の人にもどんな人にでも……。凄いと思うよ、だから琉のことが好きな人は多いのだと思う、ここの家の人たちの琉に対する視線も温かい、琉は俺とは違う……」

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