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第七章 抗えないオメガの運命と…… 十二

 琉……。そうなのか……。  俺は胸元のシャツをぐっと握りしめた。  ふと、フロンの顔を思い出す。そうだ……フロンは琉が好きで……。  フロンの前ではあいつは俺がいる時みたいにおかしくはならない。  フロンが相手なら琉の望むような平和で差別のない世界に彼はいられるかもしれないんだ。    俺はぎゅっと目を閉じた。  こんな状況になって琉を思うとこんなにも胸が張り裂けそうになるのに。どうしてもっと早くそのことに気づくことができなかったのだろうか。    俺は、本当に愚かだったのは俺だ……。  ごめん、琉……。ごめん……。  お前が幸せになるのなら、俺さえ傍からいなくなれば……。    俺は沼間に急かされOrder Police Corpsの数名の護衛たちに囲まれながら、止めてあったエアバイクに乗せられた。  それは後座席が二席あるもので、沼間と俺はそこに乗せられると、久下が先頭にまたがり、エアバイクは滑るように走りながら空中に浮かんだ。  琉は俺が何か危ない目に会うたびに、自分を見失うほどの怒りや、互いの欲望を必死にこらえていた時にも、耐えながら俺の事を俺の気持ちを一番考えてくれていた。  強く抱きしめてくれたあの力強い腕の中は、俺は今まで感じたことがないほど、心の奥が温かく、いや、熱くなった。    彼に俺は……。強く惹かれている……。  ずっと傍にいてくれたのに……。ライバルだと信じて疑わなかったのに……。  でもそれもこれもみんな琉がずっと自分の本性を出さずに俺を包み込むように見守ってくれていたからだ……。    馬鹿……なんでまた涙が溢れるんだよ。止まらないんだよ……。  でももう自分の気持ちに嘘はつけない……。  俺きっと琉が好きなんだ……。琉がどんな種族でも……いいんだ。そんなものはどうでもいいくらいあいつが好きなんだ。

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