30 / 51
課題提出(4)※
-------------
「ぁ...ん、こぉ、づき......っん、ぅ」
散々蕩けるようなキスをされてトロトロになったところで弱い耳を責められ、甘すぎる快感に身体が打ち震えた。このままだととける。とけてなくなる。勝手に腰が揺れ、もっと何か囁いて欲しいなんて欲求が芽生えてくる。香月はそれを知ってか知らずか、俺の耳に低い声を落としていった。
「頭ん中とけそう?とろっとろじゃん」
だから、だめだっての、その声。官能に直接囁かれるような低さに、ぞくぞくと腰がひくつく。腰に添えられた手が、腰の揺れを楽しむようにゆっくりと這う。俺は身を捩りながら小さく頷いて、甘く息を吐いた。
「お前たまってたろ」
「っ...んんっ...」
悔しいが、香月の言う通りだ。久しぶりの人肌と快感のせいなのか、求めることに歯止めが効かなかった。しがみつく俺を、香月は咎めることもなく、甘やかしてくれた。
「いいよ、気持ちよくなって」
そうやって溺れることを許されて、俺の理性は一瞬にして彼方へ吹っ飛んだ。
今日の俺は、少しおかしい。
乱暴に香月に唇を押し付けると、すぐに香月も荒っぽく舌を絡めてきた。
「ん、...ふっ....」
「はぁ...」
(これ...したかった、)
病みつきになっているのは自分でもわかっている。香月の熱も、優しさも、甘い香りも、直に感じられるこのキスが、心地よい。
やがて、香月の手が胸元まで伸びてきた。指先が向かう方向は嫌でもわかってしまい、その感触を待ちわびる。だが一向に指先は肝心な部分には触れようとせず、その周辺を執拗に這うのみだ。もどかしくて、急かすように大きく身体を揺らめかす。自分のものとは思いたくないほどに、こぼれる息がいちいち甘ったるかった。
「はっ、ん、さわれよ、」
「我慢できない?ん?」
ん?と聞くのは多分、香月の癖なのだろう。そう聞かれると心臓がきゅっ、と甘く鳴る。不覚にも、ドキドキさせられてしまう自分がいるのを認めざるを得なかった。
「んっ...いいから、触っ、ぁ、ん」
俺が強請ると、俺が言い終わる前に香月の指先が胸の突起に触れた。
突然の刺激にガクン、と腰が揺れ、身体が熱くなる。少し指先が掠めただけ。それだけで、こんなにも身体が反応してしまう。この後の刺激に期待ばかりが膨らんで、息を荒らげた。
「ぁっ、...あ...」
指の腹で、軽く擦るように乳首の表面を撫でられる。その僅かな動きが、気持ちいい。もっと強い刺激を求めて胸を寄せると、香月は何故か指の動きを止めた。突然の喪失感に身体が疼く。なんで、と視線で訴えると、笑みを湛えた香月が、耳元でこう囁いた。
「もっと、触って欲しい?」
ぞく、ぞく、と快感が貫く。
即座に頷けば、香月は乳首の周りを指先で擽りながら、続けて囁いた。
「じゃあ触って欲しいとこ、自分で出して」
「ば...か、できるわけ...っ」
「できねえの...?」
「...って、めぇっ...」
煽られている。わかっていても、疼いた身体は刺激を欲して、大人しく従えと頭の片隅で囁く。
「...ほら、桐谷」
指先が遠退く。遠退けば遠退くほど、身体が欲する。
「...っ」
羞恥で顔から湯気が出そうな中、俺は自分のシャツに手を掛けた。
ゆっくり、捲り上げる。
臍が覗き、腹筋が晒され、胸元が現われる。その先端に申し訳程度に付いている小さな突起が顔を出す。恥じらいでおかしくなった感覚で、そこに触れてくれと、訴える。
「うわ...エロぉ」
真正面から俺の姿を凝視しながら、香月は真顔のまま呟いた。
「お前がさせたんだろうが!」
「いや想像以上だったわ。...あ。やべえ勃った」
香月が自分の股間を見下ろす。つられて俺も見下ろせば、香月のズボンを押し上げているそれが目に入り、本人よりも俺の方が恥ずかしくなる。
「桐谷、そのまま、離すなよ」
声は甘いのに、有無を言わさぬ威圧感があった。俺は渋々了承して、シャツを捲りあげたまま逃れるように顔だけ横に逸らした。
香月の指先が、再び胸元に向かう。左胸の先端の周りをそっと撫でながら、少しずつ中心に向かって距離を詰めてくる。身体が期待して、息が上がる。
もう少し、あと少し。
そして香月の人差し指が、下から持ち上げるようにして乳首を軽く弾いた。
ともだちにシェアしよう!