14 / 51
第13話
リクは自分の腕を掴む少年の手を振り払おうとした。
でも少年の手は痛むほどにリクの手首に食い込んでいた。
そんなこと。
今まで一度もしなかったのに。
少年の目が怖かった。
いや、いつだって少年は怖かった。
少年とのこの関係。
快楽。
全てに怯えてた。
でも。
逆らえなかった。
惹きつけられたから。
少年の熱量に捕まったから。
そして、少年が優しかったから。
嵐のような二人きりの時の怖さからリクが逃げなかったのは、ソラとリクと少年の3人の時間があったから。
珍しくはしゃいで川に落ちそうになるリクに向かってのばされる腕。
ソラのために木の上の花を取るために登ってくれる脚。
少年は。
優しかった。
激しくリクの身体を求めるその時も。
激しく求めはしても。
でも。
でも。
今の少年の目はちがった。
少年は笑っていた。
苦しそうに顔を歪めながら。
でも、それは笑いだった。
醜い・・・笑顔だった。
自分の胸を切り裂きながら、それを捧げてだれかを呪うかのような。
そんな顔は・・・知らなかった。
「離して」
そう言いたい言葉は、声にならない。
笛のような声がもれただけだ。
無理やり引き寄せられた。
「 !!どこ!!」
少年の名前を呼ぶ少女の快活な声が響く。
必死であがらうリクの抵抗をあざ笑うように、少年はリクの今日も散々吸って熟した乳首を音を立てて吸い初めていた。
「ああっ」
リクは声をあげてしまった。
リクは吸われるのが一番弱いのだ。
悲鳴は消えるのに、こんな声だけは出る。
散々イカされ、愛撫された身体は簡単に燃える。
「リク?」
少女はリクの声に気付いた。
リクは逃げようとする。
こんなところ。
見られるわけには。
見られたらダメだ。
少年としていることが何なのか。
良くない遊びなのか、それとも、女の子の代わりにされているのか、それとも違う何なのかはわからないけれど。
見られてはいけない。
それだけはわかったし、見られたくなかった。
でも。
少年はリクをしっかり抱きしめて離してくれない。
乳首を今度は舌でじっくり舐められ、声を殺すことを知らないリクはまた声をあげてしまう。
リクの身体は、まだ拒絶を知らない。
受け入れることしかしてこなかったから。
少年の舌を唇を快楽として受け止めてしまう。
「ああっ・・・いやぁ、離して・・・」
それはもう、拒絶の声ではなかったから喉から放たれた。
リクの身体は勝手に腰を揺らし、少年の身体にまた堅くなった性器をこすりつけていた。
リクの心も理解していない。
何故少年がこんなことをするのか。
だから。
拒絶が身体に届かない。
「一緒にされるん好きやろ」
少年の声は優しくて、残酷で、怖かった。
リクの乳首を噛みながら、リクの性器を手で擦り始めた。
そう。
それがリクが一番声をあげることだとしっていたから。
「いやっ・・・ああっ・・・んんっ、はぁぁっ」
リクは声をあげ鳴き続ける。
鳴かされるためにある楽器みたいに。
その声は獲物を呼び寄せるために響く。
獲物はやって来た。
軽やかな足音を立てながら。
少年がリクの胸を舐め吸いながら、性器をしごきながら、リクの身体を抱き起こしたことにリクは気づかない。
その手と唇と舌と歯に乱されていたから。
だから、感じて泣き叫ぶ顔や、精液に汚れた白い身体や、少年に弄られはじけそうになってる性器や、淫らに熟れた乳首を少女にみせつけるように晒されていること等、リクに気づけるわけがない。
「リク!?何?・・・・リ・・・ク」
少女がリクの名前を壊れたように繰り返すのと、リクが狂ったように叫びながら少女の目の前で達するのは同時だった。
「気持ちいい・・・きもち・・・ああっ!!!」
リクは頭が真っ白になり少年にしがみつきながら、白濁をほとばしらせた。
「お前なんか。お前なんか要らん!!オレにはリクがおる!!」
少年が少女にむかって怒鳴るのをリクは意識が遠くなりながら聞いていた。
「 」
少女の言葉は聞き取れなかった。
リクは自分から意識を捨てた。
ともだちにシェアしよう!