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第16話
作業をやめてリクは一休みすることにした。
ソラが学校へ行っている間。
こっそりしたいことがあった。
どうしても。
止められない悪癖。
リクはため息をつく。
12の頃に教えられ、やめられなくなってしまったこと。
リクはベッドの上に防水シーツを敷いた。
顔を赤らめながら。
いやだ。
止めたい。
でも。
やめられなくなっている。
リクはベッドに横たわり、ズボンをずらし、シャツをめくりあげた。
胸をやんわりと撫でるところから初めてしまう。
そうされたことを辿るように。
「ああっ」
声を上げてしまう。
リクはこういうことに我慢がきかない。
感じたら感じたままに反応してしまうのを止められないのだ。
自分の淫らさを嫌悪しながらリクは指を留めることができなかった。
2つの胸の乳首を自分で摘まんで押してつぶす。
そうされた事を思い出しながら。
「んっ・・・んんっ」
首をふりながら、さらに薄い胸を手のひらでもみしだきながら乳首を指先で回す。
甘い痛みに腰が揺れた。
吸って欲しいと思うがそれは自分ではできない。
変わりに指を自分の口に含んで濡らし、それでも乳輪の周りを優しく撫でた。
舐められる代わりに。
思い出すのはあの舌だ。
「 」
名前を呼ぶ。
二度と会うことのない人の名前を。
胸を突き出し、濡れた指でなぞりながら。
胸を突き出しても、舐めてくれる人はもういないのに。
「気持ちい・・・気持ちいいからぁ・・・」
誰もいないのに教えてしまうのも、そうされてた時の名残だ。
リクは自分で胸だけでイける。
弄り続けた胸は、真っ白で中性的な身体の中で、いやらしく発達してしまい、ポテリとして赤く色づきまごうことない性器になっている。
ほかが性的な感じがしない身体なだけに、リクのそこはいやらしくて、リクは誰の前でも服を脱いだことかない。
リクは指先をすりあわせ、濡れた指で執拗に乳首をなぞり、今日もそこだけで射精する。
もう可哀想な位に濡れ、ガチガチの性器は弾けるのを待っている。
そして、とうとうリクは達する。
直接そこを触らないでする射精は、長く続き、脳を溶かしていく。
「いいッ、・・・いいよぉ・・・あ・・・」
リクは涎をたらしながら報告する。
誰に言っているのかは考えないようにしながら。
そして、出したばかりの場所をこすりだす。
出した後で敏感になっているそこを。
先端を指の腹で執拗にこすり、竿を扱く。
出した後、そうされることも。
あの頃とおなじで。
「来る・・・来る・・・来るからぁ!!」
リクは泣きながら叫ぶ。
でも指を止めることができない。
この先が欲しくて欲しくて仕方ないからだ。
痛みのようなするどい感覚の先にそれはあった。
脳がフッと焼き切れた。
透明な液体が性器から迸った。
「 !! !!」
リクはその名前を叫んだ。
叫ばずにはいられなかった。
教えられたから。
刻み込まれた快楽に、今でもリクは縛られている。
ここまでしないと満足できないのだ。
リクは・・・そんな身体にされていた。
胸でイかされ、潮まで吹かされないと・・・。
でも、そうした後の切なさにリクの心は落ち込むのだ。
欲しくなるけど、思い出してつらくなる。
リク唇を噛む。
そして、汚した体液の跡を片づけながら自己嫌悪に陥るのだ。
他人と触れ合う事も出来ないのに、性欲だけある自分が嫌でたまらなくなるのだ。
「嫌いだ、オマエなんか」
リクはアイツにむかって言う。
二度と会うことのないアイツ。
リクを裏切ったアイツに。
「オマエになんか会わなければ良かった」
リクは防水シーツや汚れた服を風呂場で手洗いしながら言う。
心の底から。
「オマエになんか会わなければ」
リクの胸が痛む。
まだ癒えることのない、傷が。
この傷は癒えることがあるのだろうか、
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