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第18話

 友達を迎えに行く、とソラは朝早くから出て行った。  とても嬉しそうだから、リクも嬉しくなってしまった。  友達とどう過ごすのかと聞いたなら、ソラはクスクス笑う。  「後で教える」  とのことだ。    何を考えているんだか。  リクはまあ、不思議に思ったが、ソラの好きにさせることにした。  お小遣いをちょっと多めに渡してある。  まだ中学生だから、変なところには行かないように、と言ってある。  まあ、このあたりで中学生が遊べるのは隣町のショッピングモールのフードコートとゲームコーナー位なのだが、一応子供同士で行くことは禁止してある。    近所の駄菓子屋兼たこ焼き屋の店先で何か食べる位のことしかできないだろう。  そして、みんなで集まって家でゲームをするのがせいぜいだろう。  ソラは紙のカードを並べて何かみんなでワイワイやるゲームが小学校の頃から好きだった。  トランプでもないあのカード、何なのかさっぱりわからない。  あれでもするのだろう。  まあ、リクは友達がいたことがないから・・・友達と何をするのかなんてわからないのだけど。  そして、休日の朝早くから朝食も取らずに出て行ったのだけど・・・。  インターホンが鳴った。   ソラが帰ってきたのだ。  友達を連れて。  慌てて出て行ったので、鍵でも忘れたのだろう  リクは笑ってドアを開けた。     「ソラ、鍵を忘れたんだろ?」  そう言いながら。  開けたドアの向こうに立っていたのはソラじゃなかった。  背の高い男。  肩幅も広くて、大きな男。  知らない男だったら良かったのに。  でも。    その怖い位見つめてくる目をリクは知っていた。  忘れたことなどなかった。  リクが身体自分で慰める度、その目を思い出していたのだから。  「リク・・・リク・・・」  震える声は大人の男の声で聞き覚えはなかった。  でも。  身体は震えた。     「リク・・・会いたかった・・・」  開いたドアから、太くて大きな腕がリクを引きずり出す。  暖かい胸の中に抱き込まれていた。  何度も夢見たように。  子供の頃のように。    

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