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第21話

 胸だけを弄られ、またイカされた。  リクはアイツの名前を叫び続けた。  もう理性は溶けきって、ただ欲望だけがそこにある。  リクは手を伸ばす。  アイツのズボンの上からそこを触る。  ガチガチになっているそこ。  アイツは呻いた。  リクは震える指でベルトを外し、ボタンを外しチャックをずらし、それをつかみだした。  リクは驚く。   昔よりも。  遥かに大きくて。    硬くて。  熱かった。  リクはそれを扱いた。  昔そうしたように。  少年に喜んで欲しくてそうしたように、懸命に。  「リク・・・リク・・・いい・・いい」  少年の声ではない大人の男の声がしたけれど、何故かそれに興奮した。    苦しげに唇を撫でられる。  そう。  リクは気付いていた。  少年はリクにキスをしなかった。  しなかったのだ。  可愛い可愛いと言っても、好きだとは言わなかったみたいに。  また切なくなって、でも、指は止まることなく動く。  自分に感じて欲しくて。  「リク・・・リク!!」  強く抱きしめられて、アイツはリクの手の中に熱いものを迸らせた。  低い呻きも、揺れる互いの腰も。  そして、リクもまたかるくイっていた。  アイツのを擦るだけで、触れられも触れもしていないのに。  頬を擦り合わされ、髪を撫でられ、背中を撫でられる。  冷たい玄関の床の上で。  リクとアイツはしばらくそのまま、抱き合っていた。  離れたくなかった。  今だけは。  それは。    多分。  リクだけの気持ちではなかったはずだ。

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