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第33話

 恋人がリクの家に来るときはセックスはしない。  恋人はソラの部屋で寝る。  そして、リクとソラと恋人の三人で休日を過ごす。  いずれ時期を見て、一緒に住むのをきちんとソラにも認めて貰わないと、と言う恋人はかなり生真面目だ。  小学生でリクを廃れた神社に連れ込み色々していたくせに。  ソラは呆れている様子を隠そうともしない。  ソラは元々恋人が好きだし、兄の恋人が男であることも大したことだとは思っていないようだったし、二人がそういう関係なことに動揺しない中学生だった。  「まあ、あの人、お兄ちゃんのこと【男】だとは思ってないとこあるよね。昔からお姫様みたいお兄ちゃんのこと扱っていたし」  ソラはリクに言った。  それはリクも思う。  恋人がリクを女の子だと思ったのが始まりだったのだし、女の子じゃなくても性欲を抱いたとしても、【男の身体】としてのリクに性欲を抱いたわけでは無さそうなのだ。  リク以外の男性には恋人は興味がないようだし。  リクの胸を女性のように尖らせ、形さえ変えることにこだわるのもそういうたころがあるのかと思ってしまう。    でも、リクの男でしかない性器を弄るのが好きでそこであんなことや、そんなことをしたがるので・・・リクが男性であることも受け入れてはいるのだとも思うのだけど。  「オレは【リク】が好きなんや。リクはやらしくて可愛くて綺麗や」  恋人はリクの身体を弄る度にそういう。  だから。  まあ、リクを男性女性ではなく、【リク】として扱っているのだと、リクは思っているのだけど。  男性とは思ってないのは確かだ。  どこかズレてる。  でも【男性】には興味がないのは本当だろう。  リクとは一つの布団で手を出さずには寝れないが、ソラとは平気で寝るわけだし。  なんなら、ソラと一緒に風呂に入る。   ソラの身体は恋人にはただの身体だからだ。  ソラとリクは似ているのだけど。  ソラはリクとは違って、女性的ではなく、少年らしい快活さがあるが、二人は良く似ている。  ソラはソラで美しい。  でも、恋人にはソラは性的対象にはなり得ないのだ。  その差は何だろう。  ソラの笑顔はリクの笑顔に似ている。  ソラとリクは同じことに笑うこともある。  「やはり兄弟やな、ふたりとも」  恋人は二人を見ていて笑うのに。  恋人はリクの身体には溺れる。  リクの町ではなく、恋人の住む町に泊まりにリクが来る時には、恋人は一日中リクを抱いて離さない。  受け入れることを覚えた後ろの穴に、ずっと自分のモノを挿れていたがる。    「ここも・・・形変えていこうや。いっぱいぶち込んで、女のソコみたいな形にしてやるからな」  恋人に何度も突かれながらリクは囁かれた。  恋人は本気だった。  恋人は胸をいやらしくしたように、そこもいやらしくしたがった。  リクが自分のために身体を変えることに固執していた。  そして、ソコの形はそうなりつつあった。  嬉しげに恋人はそこを舐めて喜ぶのだ。  リクを鳴かせながら。    そして、苦しいだけだったそこでする行為だが、今ではリクは後ろだけでイケるようになっていた。  「可愛い・・・リク。オレのリク・・・やらしくて可愛い」  恋人はリクがイク度に喜んだ。  リクは恋人の性器を挿れられるだけで射精し、自分から尻を振り恋人をもとめ、中だけで射精せず、イった。  「もっとぉ・・・」   そう泣き叫び、奥まで突かれることを好きになった。  恋人はリクの中で放つのが好きで、リクの中に何度も放ち、リクもそれを喜んだ。  リクは恋人の性器を恋人がしてくれるみたいに咥えることも覚えたし、恋人が飲んでくれるように、恋人のモノも飲んだ。  何も知らないだけに、リクは性に対する抵抗もなく、恋人とのセックスに溺れた。  恋人の上に跨がり、貪欲に腰を動かし自分から果てることさえできるようになった。  ドロドロに溶け合った。  乱れて蕩けて貪りあった。  「リク・・・リク・・・可愛い・・やらしくて可愛い」   恋人がそう言ってくれる度に乱れて、貪れた。  いやらしい言葉を覚えた。  恋人が言わせたがる言葉を欲しがりながら叫んだ。  恋人が獣のようになるまで、恋人の理性を破壊した。    そのくせ。  リクも恋人も。  恋人の部屋以外では、付き合いたての恋人みたいに、不器用にしか振る舞えなかった。  意識しすぎて。  手すら繋げないこの二人がどれだけいやらしいことをしているのかは、ソラにはわからなかったと思う。     わかったとしたら。  ソラはもっと呆れたと思う。    ここまでしといてそれか、と。  二人が恋人になって一年。  恋人は卒業して、バイトだった仕事を本業にして軌道にのせて、リクの町に来れるまで少し時間がかかっていた。  でも、それもなんとかして。  いよいよ、リク達の町に来るとなった頃。  彼女が現れたのだ。  いずれ、向き合わないといけない問題ではあったのだけど。              

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