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第34話
「リク・・・」
恋人の声が甘い。
でも、リクの喉はヒューヒューと、笛のような音を立てていた。
一番深くを突くために、恋人はリクをうつ伏せにして、逃げないように押さえこみ、腰を送り込んでいた。
深いところでゆっくり動かされ、リクは呼気だけを洩らす。
もう声すら出ないのだ。
ガクンガクンと震える身体を、恋人は押さえつけ、奥を味わうように動く。
リクは頭を振り、身体をふるわせるだけだ。
「ここ好きやろ?なぁ・・・」
恋人はさらに、ねちっこくそこで動いた。
「ヒィッ、ヒィっ」
リクは、口をだらしなくあけて、涎を流した。
前からはもうずっとダラダラと白濁をこぼし続けている。
「締めて絞って蠢いて・・・リクの中は最高や。奥でグボグボしたるからな」
恋人は呻く。
リクの耳を噛みながら。
そして、リクの奥を突いて開きそこでグボグボと動かした。
その動きに、リクは身体を痙攣させる。
「あぅっ・・・うぐぅっ・・・」
リクは逃げようとして、手でシーツを掴む。
快感で限界まで脳を焼き尽くしてくるから、逃げずにはいられないのだ。
でも、恋人はその手を上から押さえつけて逃がさない。
さらに、腰を送り込んだ。
リクの脳がショートする。
「 」
恋人の名前を叫び、リクはとうとう気絶した。
でも、恋人はとまならなかった。
だらんと力の抜けきったリクの身体の奥を犯し続けてた。
「リク・・・リク・・・リク」
一番奥で放ちながら恋人は叫ぶ。
リクを抱きしめながら。
「リク・・・助けて・・・リク・・・」
恋人は聞こえなくったリクにだからこそ、助けを求める。
恋人の目には恐怖がある。
恋人は、恐怖から逃れるために、もう動けないリクを再び犯し始めた。
「リク・・・リク・・・怖いんや」
その恋人の胸にはいつもならあるペンダントがなかった。
それはリクもわかっていた。
恋人は会ってすぐに謝ったからだ。
ペンダントが無くなったことを。
盗まれたとリクに謝り言った言葉にも嘘はなかった。
「助けて・・・リク・・・リク!!!」
恋人は激しくリクを犯す。
動けない人形のようになったリクを。
恋人は怯えていた。
怖がっていた。
盗まれたペンダント。
それを盗んだ人間を恐れていた。
「リク・・・リク・・・助けて・・・」
恋人は叫びながら、リクを犯し続けた。
何度も何度も。
恋人は声を上げて泣いていた。
恐怖がすぐそこに来ていた。
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