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第46話

 目覚めた時、また見慣れない天井でリクは混乱した。  彼女といたあの部屋とも違う。    髪を撫でられる手に怯えた。  それは彼女の指ではなかったから。  でも、覗き込んできたのが恋人だったから。  リクは安心した。  「ソラは?」  そう、目で問う。  「大丈夫や。オレの兄貴がついていてくれてる。本人は何も覚えてないらしい。医者にも診せたけど、睡眠薬を飲まされたんじゃないかと。兄貴の知り合いの医者や。警察には連絡してない。・・・お前が嫌ならせん」  恋人は言った。  恋人は警察に彼女を引き渡したいと思っているようだった。  恋人はとても彼女に怒っていて、それがリクにはわかった。  リクは黙って首を振った。  「ホテルの部屋借りた。落ち着くまでソラに会いたくないやろ?」  恋人の言葉にリクは頷いた。  ソラに弱った姿を見せたら心配する。  「ソラには・・・どう言えば良い?」  困ったように恋人は言った。  リクは首を振った。  何も、と。    「そうか。ソラは何も覚えてないし、まだ寝てるから・・・何もなかったことにするか」  恋人は頷いた。  リクは自分の身体を見下ろした。  ホテルのガウンが着せられていた。  汚れた身体を綺麗にしたのは恋人だろう。  じゃあ恋人は見たはずだ。  彼女に思うままにされたこの身体の跡を。  目だけで問う。  どう思っているのか。  「リク・・・リク・・・」  その目に苦しげに恋人が呻く。  「リクはオレのやのに。オレだけのやのに。アイツは許せへん・・・リク・・リク・・・ごめん。オレのせいや」  恋人が声をあげて泣いた。  リクは薄く笑った。  その目に恋人は怯えた。  リクの笑顔は、何もかもを見透かすようだったから。  リクは自分からガウンの前を広げた。    彼女がその舌や歯や唇で、熟れさせた乳首はいつもより鮮やかだった。  彼女がつけた吸い跡は全身にあった。  今、リクには彼女の存在が刻まれていた。    リクは脚を開き、腰を上げ、彼女が夢中になって弄ったその穴を見せつけた。  大きなディルドを何度も受け入れ、柔らかくほどけているそこを。  そして、自分から擦って性器を勃たせていく。  彼女に入った性器を。  恋人の喉が鳴る。  恋人は耐えたのだ。  彼女が恋人にリクの居場所を教えたのだろう。  でも、おそらく。  恋人が駆けつけた時、彼女はもういなかっただろう  でも。  恋人は彼女とセックスの跡を残したままのリクをあの部屋で見つけたのだ。  愛しい女の跡を刻んだリクを。  その場でリクを抱かなかったのは。  恋人が本当にリクを愛しているからだ。  耐えたのだ。  リクのために。  でも。  リクは恋人に与えてやるのだ。  リクの中の彼女を。  「リク・・・許して」  恋人は苦しそうに叫んだ。  耐えている。   それを愛だと知っているから、リクは嬉しかった。  でも。  リクは許さなかった。  「オレを通して・・・彼女を抱きなさい」  リクは声を出した。    恋人を傷つけるために。  それは命令だった。  恋人は涙を流し・・・それでもリクに覆い被さってきた。  獣のように吠えながら。    

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