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第3話

 この寮は学校と同じで、パジャマかそれに類するものに着替えるまでは学生服…今となっては数少ない学ランを着る規則だ。千秋も、そして雅浩も黒い学生服を着ている。  部屋に入り、電気を点けてドアを閉めた瞬間、後ろから抱きすくめられた。驚いて振り払おうとした。しかし、彼の低くてとても耳障りの良い声と熱い吐息を耳に感じる。 「一目見た時から惹かれていた。好きだ。だから…」  その言葉は電流を伴っているように背骨から下半身へと震えをもたらす。と、同時に抵抗など考えられなくなってしまった。  力が抜けたのを感じたのか、彼の大きな掌が千秋の頭を優しく包み、顔を横に向かせた。  眼差しがぶつかる。彼はとても真剣で深刻そうな顔をしていた、それだけでなく、どことなく寂しそうな光も宿っている。その瞳の呪縛を逃れたくて瞳を逸らせた。  唇に暖かくて湿ったものを感じた。――キス…されている――知識は有ったが実際にしたのは初めてでどうしていいか分からない。唇の表面だけを触れ合わせるキス。唇の接触は千秋の理性を麻痺させてしまったようだった。しばらく2人は身動きをせず、お互いの唇だけを味わっていた。唇の表面が雅浩の息で湿って行くのがリアルだった。どうしていいのか分からずにじっとしていた千秋だったが、耐え切れず急いで唇を離す。それから大きく息を吸い、存分に呼吸した。その様子を見守っていた雅浩は、本当に驚いたように聞いて来た。 「千秋、お前、まさかキスしたことがないの…か?」  ようやく肺に空気が戻ったところで答えた。 「初めてだ。だが、中学校からこんなところに居てキスする相手なんか見つからない」  そう答えたのだが、中学に入ってからキスをしようとする同級生や先輩はたくさん居た。だが、千秋がしたくなかっただけなのだ。その度ごとにはぐらかしてきた。雅浩には何か自分を惹き付ける不思議な魔力のようなものでも持っているかのようだった。 「そうなのか!?」  何故か嬉しそうに言った雅浩は、抱き締める力を強めた。そしてそのままベッド――雅浩の方だった――に押し倒す。下敷きになった千秋は、雅浩の整った顔を見ていた。他のことは何も考えられないほど。その顔が徐々に近付いて来る。もう一度キスする積りだと分かっても止める気持ちにはなれなかった。そっと目を閉じた。今度は唇全体を吸い尽くす勢いで挑まれる。耐え切れずに口を開けると空気と共に彼の舌が入って来た。他人の唾液だが、不思議と嫌悪感はなかった。彼の舌は水音を纏って千秋の口中を探る。上顎に舌が掛かった瞬間、背筋が跳ねた。ソコを舌で擦られるとたまらなく気持ちが良い。吐息が熱くなったので彼も分かったのだろう。集中的に舐められた。口に意識が集まっていたせいで、厚い布地の学生服のボタンが外され、シャツもはだけられていることに気付かなかった。素肌をまさぐる動きを感じた時に、制止の声をかけようとした。しかしその直前、彼は千秋の胸の尖りを指で擦った。他の箇所と同じくらいの平らさだったものが、その動きで充血する。ポツンとせり出したソコを長く骨ばった二本の指で摘まむかと思えば、僅かな力を込めて引っ張る。自分はモチロンのこと誰にも触らせたことのない場所への愛撫は、千秋の吐息を乱すのに充分だった。おまけに身体からしっとりと汗が滲む。必死で声を出さないようにするのが精一杯だった。  ベルトを外す金属音がかすかに聞こえたが、胸と首筋に流れ込む性感に気を取られて何をされているのかまで気を回す余裕はなかった。 「ポツンと勃てている胸…女とは違って肌色に近い薄桃色だな。とても綺麗だ。 それに他の部分よりも暖かい・・・感じている。違うか?」  相変わらずの低音で囁かれるとそれだけで極めてしまいそうになる。それに感じているのは隠しようがない事実だ」 「ああ…感じているっ・・・」  途切れ途切れに訴えると雅浩は咽喉声で笑った。耳元でじかに聞いてしまい、身体中に電流が流れたように痙攣する。下半身にも熱が集まる。 「素直なヤツはタイプだ」  そう言うとベルトを外し、学生服のズボンを全部脱がされた。厚い布地が他人の手によって素肌を滑り落ちる感抵は初めてだ。そんな些細な布の動きにさえ、肌は敏感に反応する。フト理性が戻って抵抗しようとする度に、胸や首筋といった弱いトコロを巧みに愛撫され、身動きが出来ない有様だった。特に胸の突起を舐められたり、弱く歯を立てられたりすると背筋がしなり、シーツから離れた。 「ココもこんなに悦んでいる…」  若い性が敏感に反応するのが、トランクス越しにも分かったのだろう。愛しげにゆっくりと撫で回された。  自分の手で弄るのとは全く違った快感に涙が零れそうになる、もちろん悲しみのせいではなく。 布地越しにゆるゆるとソレ全体を撫で回されて、堪りかねて学生服の厚い布地に包まれた雅浩の肩に口をつけて噛んだ。 「そんなに感じているのか…まぁ、この状態だとそうだろうな…」  布越しの愛撫だったが、淫らな水音がする。先走りの露がしどどに溢れているのだろう。その粘度を持つ、湿った音を聞くだけで耳まで犯されているような気がする。 「あっ、ソコ・・・はっ」  布地越しなのがもどかしいほど濃密な愛撫で一番感じる場所を触られると自然に腰が揺らめいた。もっとソコにキツイ愛撫が欲しいと思ってしまう。  が、千秋をとことんまで焦らすと決めたのか、最後の一枚を脱がそうとはせず、顎が自然と上向きになる箇所を緩慢に愛撫するだけだ。  もう、達することしか考えられなくなった。もう少しの刺激で逝けるのに、その決定打が与えられない。腰が自然と揺らめく。頭を振って快楽をやり過ごそうと努力していると涙がとめどなく零れる。その涙が頭を振ることで飛び散っている。 「綺麗だな・・・。ずっとこのまま観賞していたい…千秋の汗は良い香りがする水晶の欠片の ようだ」  余裕のある発言に千秋の何かがキレた。 「直接…触って…欲しいっ!」 「実は、そう言われるのを待ち兼ねていたんだ」  耳元で低い声が情熱的に囁く。すぐに脱がされるかと思っていたら、隙間から悪戯な手が入り込んできた。  直接触られる快感は、今までよりも鮮烈で、千秋の体温は上昇する。

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