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第3話(R18)
水上が初めて花下と出会ったのは強い月明かりで照らされた夏の日だった。
普段は性欲の「せ」の字も感じさせない水上だが、その日の夕方はいつになくムラムラしていて、旧寮にある談話室へ行き、自分を慰めていた。
「あっ、あっ……」
旧寮の談話室というのは所謂、ヌキ部屋で、水上のいる新寮は1部屋2人なこともあり、新寮に部屋を持つ1、2年生なんかもこっそりと行く者もいる。
「あああああんっ!!!」
スマートフォンとイヤフォンで大袈裟に嬌声を上げるAVを見て、画面の中で絶頂を迎えたのと同時に水上も果てる。その時、誰かが談話室に向かってくる気配がした。
「やばっ、誰か来る」
水上は間一髪のところで、談話室にある机の下に潜り込むと、談話室に近づく人影をやり過ごす。そして、人の気配に気をつけながら、そそくさと談話室を出て行っていた。
スマートフォンからイヤフォンが抜けて、談話室のカーペットに落ちてしまっているのにも気がつかずに。
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