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第10話(R18)

 水上的には睡姦ものは今ひとつ、興奮し切れないジャンルだった。 「んっ……ンっ……」  土中がいない時を見計らって、水上は寮の部屋で、インターネットで「睡姦」を題材にしたものを片っ端から見る。確かに控え目に喘がれる声はなかなか胸に来るものがあるが、どうせ女優達は起きているのだ。  隠語を叫ばせたり、無意味に泣かせたりしたい訳じゃないが、動きも派手ではなくて、水上は無抵抗さというか、なされるがままの女優達に萎えていた。  だが、 「でも、あの人を好きにできるのは興奮するかもな……」  水上の思う「あの人」というのは勿論、花下のことだった。  夏の、暑さで馬鹿になりそうな夜の中で突如、起こるような、気まぐれなようなゲーム。  勿論、花下の挑発に乗らないこともできたのに、 『そのゲームは1回だけしか挑戦できないんですか?』  と本能的に花下に聞いてしまっていた。  どうして、そこまで、花下に惹かれるのだろう。  彼に触れたくて、仕方ないと思うんだろう。

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