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第14話(R15)
それからというもの、水上は研究に研究を重ねて、花下とのゲームに臨むようになった。
花下を起こすの覚悟で、花下のどの部分をどれくらい刺激すると起きるのかを具に観察して、実験した。
もうそこには性欲の薄かった少年はいなくて、毎日のように先輩である男の裸体を弄くり回して、ゲームに興じる男がいた。
「ところで、花下さんってお盆ってどうするんですか?」
基本的には夏休み中でも碧葉学園の寮は空いている。
だが、原則的にお盆はどの学生も例外なく、帰省することになっているらしい。
「あー、親に言ったら、まだ遺品整理中だから帰えれねぇって言ってたからな」
花下は実は、日本人とオーストリア人のクォーターらしく、高校の1年生の夏から3年生の春先まで留学していたのはその辺りの事情もあるらしい。
「本当は高校のあいだには日本で過ごして、大学から留学にしようと思ってたら、爺様の死期が迫っていると言われて」
幸い、花下の通う碧葉学園は留学制度が整った学校であり、そのことも花下に5年前倒しの渡墺、留学させたという。
水上は花下がどこか他の上級生にはない感じがしていたが、馴染めていないメンバーに、2年近くも通っていない学校。
いつも飄々としている花下だが、それはとても孤独だろう、と水上は思った。
「あ、話が脱線したな。だから、寮が閉まっている間は近くのホテルにでも」
「僕にはまだ土中や他にも話せるヤツが何人かいるけど、花下さんは1人で」
水上は話を続ける花下を思わず、抱き締める。花下には自分がいると伝わるように。
「水上……本当にお前は変わったヤツだな」
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