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第17話
『カツアゲは……ってことはパシられてるとか?』
と言っていたのは土中だったと思い、水上は自動販売機に花下から受け取った1000円を入れる。
甘みのある緑茶に、有名な山の湧き水だと謳ったミネラルウォーターを2本ずつ買うと、お釣りをロールアップした黒いジーンズのポケットへ入れる。
そして、ペットボトルを抱えるようにして、花下の待つ部屋へと戻る。
「(カツアゲやパシられてるだけなら良かった……かな、ただの先輩と後輩の関係ならまだ……)」
多分だが、花下にとってはひと夏のゲームのつもりなのだろう。
だが、水上にとってはひと夏しかないゲーム、いや、花下に触れられるチャンスだ。
『水上が条件を破らない限りはcontinue可能だ』
と言った花下の言葉を何度も何度も思い返す。
「(continueはもうできない……したくない……)」
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