18 / 35
第18話
「おっ、水上!」
既にシャワーを浴びて、バスローブに着替えた花下はベッドの上で寛いでいた。
「すみません、そこの自販、人がいたんで、下の階まで行ってました」
水上はミネラルウオーターの方を冷蔵庫に入れると、花下が希望した緑茶を花下へ渡す。
「わざわざ下まで行ってたのか。そりゃ、悪かったな」
「いえ……」
花下は緑茶の蓋を開けて、ベッドサイドに用意していたコップに緑茶を注ぐ。
それに倣って、水上もコップを出して、自分用に買った緑茶を注いだ。そんな些細なことを同じようにするのさえ幸せだった。
幸せで、苦しかった。
「はぁあああ〜」
花下は大きな欠伸をして、少し寝ると言い出した。
「水上もシャワーだけでも浴びて、寝ろよ。夜は美味いラーメン屋が近くあるから連れて行ってやる」
花下は眠ると、水上は言われた通り、シャワーを浴びて、ベッドへ横になる。
「(ラストゲームに備えて……)」
ともだちにシェアしよう!