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第18話

「おっ、水上!」  既にシャワーを浴びて、バスローブに着替えた花下はベッドの上で寛いでいた。 「すみません、そこの自販、人がいたんで、下の階まで行ってました」  水上はミネラルウオーターの方を冷蔵庫に入れると、花下が希望した緑茶を花下へ渡す。 「わざわざ下まで行ってたのか。そりゃ、悪かったな」 「いえ……」  花下は緑茶の蓋を開けて、ベッドサイドに用意していたコップに緑茶を注ぐ。  それに倣って、水上もコップを出して、自分用に買った緑茶を注いだ。そんな些細なことを同じようにするのさえ幸せだった。  幸せで、苦しかった。 「はぁあああ〜」  花下は大きな欠伸をして、少し寝ると言い出した。 「水上もシャワーだけでも浴びて、寝ろよ。夜は美味いラーメン屋が近くあるから連れて行ってやる」  花下は眠ると、水上は言われた通り、シャワーを浴びて、ベッドへ横になる。 「(ラストゲームに備えて……)」

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