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第32話

 水上と花下は部屋のシャワーで汗を流すと、キングサイズのベッドの上にいた。  キスをして、軽めのスキンシップをして、水上は花下に触れていく。 「今日は後ろ、綺麗にしてあるから。もし、水上が抵抗がなければ、入れても良い」  ベッドに横たわる花下に覆い被さるようにいる水上へ。花下は手を伸ばす。 「どうして、そんなにかっこいいんだ。貴方は……」 「はは、かっこいいって……」  1度は手に入らない、いや、手に入れるなんて烏滸がましいと思った花下夏月という男(ひと)。  だが、水上も2年前と違う。背も伸びて、花下に2cm差まで伸びた。  成績も碧葉では普通よりちょっと上くらいだが、このまま勉強すれば、どの大学でも入れるくらいに伸びてきている。花下の隣にはいれないけど、せめて、花下の隣にいても、恥じないように2年間を送ってきた。  口で言うは簡単だが、花下を失ったまま、なすには困難な道に水上は何度も挫けた。 「僕はまだ2年前の花下さんにも追いつけていないです。それでも、僕は花下さんに相応しいでしょうか?」  簡単ではない道を歩き続けたのに、自信など微塵もないといった水上へ花下は言った。 「馬鹿だな、水上って」 「馬鹿……って」 「お前が良いなら、って……いや、俺は2年前から水上が良かったんだよ」

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