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第2話

「はぁ、だっる」 学校に行くのが億劫でため息しかでない。 本当はサボりたいけど、成績はキープしないと親の監視が厳しくなる。 そうなると夜の活動ができなくなるから仕方なく通っている。 昨日の人タイプだったな。 そんなことを考えていると、尻に違和感を感じた。 こんなこと日常茶飯事だから放置して、スマホをいじりながら、なんで通勤時間と通学時間って被るんだろう面倒だなと考えていた。 警戒心のなさに安心したのか、後ろにいる奴は尻を揉みながら制服のベルトを下ろそうとしている。 「はぁ」 これだから通学は面倒なのだ。 「君、大丈夫かい?」 「は?」 痴漢の手が止まったと思ったら、サラリーマンのお手本のような人が立っていた。 痴漢していたほうを睨んでいる。 「気にしないでください。どうでもいいんで」 今日の夜は誰にしようかなとアドレス帳を開いているとスマホが手からなくなった。 犯人は目の前にいる油でギトギトのサラリーマンだ。こんなの毎日のように見ているから嫌悪感も湧かない。 「迷惑なんですけど」 「もっと嫌がらないと」 「別に俺、気にしないんで」 尻や胸なんて毎晩触られてるから、今更羞恥心もわかない。 「ダメだよ。君はまだ学生なんだから」 「いいからスマホ返して」 「君が理解してくれたらね」 「はいはーい。理解しましたよー」 と言いながらサラリーマンの太ももをツーッと触る。 今度はあっちがピクリと反応する。 一瞬動作が固まったうちにスマホを取り返す。商売道具を取られたら生活に困る。 「な、なにを……」 耐性がないのか顔を真っ赤にしてサラリーマンは肩を揺らす。童貞かよ。 その様子が面白すぎて満員電車をいいことに、股間にそっと触れてみる。 んー、俺の好みのサイズではないかな。そんなことを思っているとちょうど電車のアナウンスがなった。 なにごともなかったようにサラリーマンを放置して人並みをかきわける。 サラリーマンはまだ金魚のように口をぱくぱくさせていた。 学校に到着し着席するとブレザーからカサッと音がした。ポケットになにか入っている。 「三神浩介?」 質の良い紙にシンプルに彩られた名前。 聞いたこともない。客の名前でも記憶にない。それに夜に出歩く時は制服は着ていない。 客の名刺だったら困るから、一応パスケースに入れておいた。 あぁ、今日もくだらない1日が始まる。

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