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第4話(※)

親が離婚して4年が過ぎた頃、母親が過労で倒れた。大学の入学費、授業料等のお金を賄うために根を詰めて働いていた事が原因だと言うことは直ぐにわかった。本当ならばそんな余裕もないはずなのに僕には一切辛い表情を見せない母に申し訳ない気持ちしか無い。 そんな最中に、引き出しの奥に隠されてあった「父親」であろう人からの置き手紙を偶然発見してしまった。 『離婚の原因は自分だったかもしれない』 そんな疑問が頭の中で膨張していく。両親が離婚する前に言い争いしてる姿も見たことなければ理由も何一つ聞かされていなかったが、置き手紙には、そんな旨が記されている。夫婦の幸せを壊したのは僕の存在なのかもしれない…。母の入院とそんな思いは不幸にも被り、弱かった当時の僕の心は亀裂が大きくなりいつしか心は空洞となってしまった。 心の中が空になってしまった僕の心にはいつしか「抱きしめられたい」「満たされたい」そんな気持ちが芽生え始めた。受け止めてくれさえすれば、相手なんか誰でもいい。そんな気持ちで僕は夜の街を徘徊するようになった。そこで出会ったのが海だった。恋人関係なることもなければお互い干渉することない、そんな海と僕はとても相性がよく何度も身体を重ねる日々が続いた。 「…もっと…!…ん!…あぁ!」 お互いの体の熱を分かち合う度に心が満たされるような気がした。 「…っ…深月……満足…した…?」 「まだぁ…!…もっと!もっと!…満たしてぇ!」 激しく犯される快楽は僕の心を楽にしていき、僕達はいつしか「セフレ」となった。 「ねぇ…ヤろ?」 毎夜会っては身体を重ねていたが、稀に、海から電話がかかってくることがあった。そんな時はいつも声は少し掠れ読めない表情をしていた。 「待って…!イク…!イっ…ちゃう!んぁ…!あっ!」 そしてそんな時はいつも以上に僕を激しく犯す。その姿で気づいた。あの表情は 『海が辛いと感じた時の表情』なのだと。

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