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第5話※
宰相の腰はますます動きを速めるばかりで、止まってはくれない。溢れ出る蜜が、いやらしく太腿を汚してゆく。
「はっ...、はっ...、はっ...、」
「ンあ...っ」
熱い息が顔にかかり、ビクンと腰を揺らしてしまった。宰相がにやりと笑った。
「はは、愉快だ。その醜い顔で、自分が男娼にでもなったつもりか?なあ、気持ちいいんだろう」
憎らしい言葉に、必死で声を抑える。決してこのような奴に屈してはならない、耐えろ、蝉!
もう逃げることは叶わないだろう。なんとかやり過ごさなければ。
それに、この後は処刑の仕事が控えてある。遅れるなんて事をしでかせば、もうここでは生きていけなくなるんだ。
「っふ...。そろそろ、いいよな」
刹那、体をうつ伏せにされ、腰を高く持ち上げられた。
「....っ!?」
無様な格好に頰が赤くなる。
すぐ後に穴にヒヤリとした感触を感じ、硬いものを押し付けられた。......なんだ、これは。どういう意図で、こんな事を。宰相の顔は見えないため、何を考えているのか全く分からない。
(――怖、い、かもしれない)
ググッと先を挿れられて、不安は恐怖に変わった。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「あ”ぁああぁ“ッ“!!!」
「っく...!さすがに、狭いなっ...!!」
体の中に、無理矢理異物が侵入してくる感覚。嫌悪感、恐怖。全てが初めて味わう感覚だった。屈しないと言ったものの、頭がおかしくなりそうなくらいに痛い。ミシッ...と内部が慄き、全身に力が入る。
必死で歯をくいしばっていると、パシン!と尻を叩かれた。
「おい、力抜け。挿れられねえだろうが」
(黙れ、変態っ...!!!!)
この耐えがたい苦痛の中、誰がお前の言いなりになるというのか!
が、こちらの抵抗力など微々たるものでしかない。あっという間に、宰相のものは奥まで辿りついてしまった。ぴったり密着した腰。まるで獣の交尾のような体制。その状態で、宰相は腰を前後に動かしてきた。
「おらっ、こうやって、奥まで突いてっ...!どうだ、気持ちいいだろう?、は、」
「いっ”..!!あぁあ...っ!!」
パンパンと腰のぶつかる音が響音する。僕の声も、宰相を煽る道具にしかならず、ピストン運動は更に激しくなっていった。
いい加減、体力が持たない。死にそうだ。
「はあっ...、はあ...っ、もう、やめて...」
瞬間。
ドゴオオオオオッ!!!!!!
大きな音がして、辺りに瓦礫が散った。
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