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第11話
答えは本棚の奥で見つけた康平の卒業アルバムから見つかった。
高校時代のクラス写真に二人は並んで写っていた。
驚いたのは、写真の康平が僕にとてもよく似ていたことだ。
最近「若い頃のお祖父ちゃんに似てきた」と祖母から言われていたが、祖父は兄の康平とよく似ていた。だから僕も康平に似ているのだ。
修一郎がどこの誰かはわかったけれど、どうして彼がここにいるのかその謎は解けなかった。
僕は考えた末に、アルバムの住所に行ってみた。
隣りの市だから電車で1時間もかからない。古そうな住宅街の中に小奇麗な一戸建ての家が建っていた。最近建てたものだろう。
修一郎の家族が今も住んでいるかどうかわからないが、卒業アルバムの名簿と同じ苗字の表札が掛かっていたので、家に戻って手紙を書いた。
祖父の家の整理をしていたら、修一郎と名前の入った本と写真が出てきて卒業アルバムからそちらの修一郎さんのものだと思うのですが、お返ししましょうかというような内容を、できるだけ丁寧に書いて出してみた。
無視されても仕方ないと思いながら投函したが、何と数日で返事が返ってきた。
お手数でなければぜひ送っていただきたいが、もしよかったらお会いできないかという内容だった。
手紙を書いてくれたのは修一郎の妹にあたる人で、その人から僕は修一郎の消息を知ることができた。
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