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3-6*温泉編

「ん"ー…!」 をいをいをーい。ちょっとまてネ むとうあずさクンよく冷静に考えてみて こりゃいかん。舌はだめよ なんてったって男同士 キャー!!禁断?禁断?…じゃねぇから 渾身の力を振り絞り、りゅーくんに抵抗シマシタ ちょーっと、いや結構不機嫌そうな顔をされた もういいって。ちょっとぬるい水はもういいって 「…ハァ んだよ」 「んだよ じゃないわ」 「はぁ?おまえファーストじゃあるまいし、そんなむきになるなよ」 「……………」 「童貞なのは知ってるけどキスは流石に経験、」 「……俺ファーストだった」 遮るように小声で言ったけど、悲しすぎかよ。 社会人になって同僚と居酒屋に行ってファーストキスねたが出た瞬間泣くわ俺。 男ですって素直に言ってみろ。「え?」って言われて距離置かれるわまじ。…しかもデープキフ さっきまでの俺、もうちっと適切な判断を取るべきだったな。 覆水盆にかえらず感が俺を襲ふ いや、ちょっとまて。りゅーくんとのキスが嫌じゃなかったことも事実………アレ俺ついに中西くんの言う未知の領域の扉開けちゃった感じ?いやいやまだノックしてる感じでとどめておきたい。もうやーね、叫びたい いと悲しきことですのう 抱きしめられてる(と言うよりは介抱)俺からはりゅーくんの顔がバッチリみえるんだけどさ、なにこれ? なんか不思議な光景がみえるのだよ。 「……ってなんでりゅーくん」 「うるせえ」 ちょ、ちょ、ちょ、レアだ 顔が赤いぞ、なにゆえ …なんだい彼。そういった魔法にかかったの? どういった魔法だよ!っていう自問をしていて…じゃなくて真面目に。 「なんで顔が赤いの」 「…お前まじ黙れ」 「う、ひど」 「じゃあ梓のファースト… 俺じゃん」 「…そんな当たり前なこと言わないでヨ。今さっきしたでしょ!?」 「…………あーはいはい、ワカリマシタ」 「なんかうざいぞりゅーくん」 「…もう大丈夫だろ。早く寝ろ」 *** 「あー萌える萌える萌える。お前ら可愛すぎかよ。マジくっつけよ。なんだ梓、氷室が赤面してる理由もわからないのか…?まじ狙ってんのかよ、てか可愛い、もう拍手なんだけど。ホモゲーよりも萌えるわ、あああ有難う神様リアルBLを俺のもとに届けてくれて………ハァ幸せ。死んでもいい、写メらせて。…とりあえず早くくっつけ」 同室の腐男子 中西くんが復活して (ふすま)越しに俺達を見てハァハァしてることは 誰も知らない。 なんて波瀾万丈な1日だったのだろうか。 そんな記憶が一番強い高校2年生秋の出来事であった。

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