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ブラッド&サンド ――切なさが止まらない 8

 それから一耶は「建樹さんって、見た目はクールで高嶺の花って感じだけど、とっても優しいし、いい人オーラが出てますよ」と言って、いたずらっぽく笑った。 「いい人オーラか。面白いことを言うね」 「あーあ、システム部じゃなくて、そっちで働きたかったな、なんて。銀行員でも何でもないオレには無理ですけどね」  システム部は文字通り、行内のコンピュータシステムの管理を一手に担う部署であり、銀行としての業務──預金や為替などを扱うのではなく、システムエンジニアの仕事に近いため、別部門の子会社という扱いになっている。採用される社員はもちろん、コンピュータを専門に学んできた者たちだ。  箸を進めながらも、このまま黙っているのもどうかと思った建樹は「学校ではコンピュータの勉強をしてきたんだろう。一般のソフト開発とかじゃなくて、どうしてここに入社したのかな?」と訊いた。  すると一耶はいくらか固い表情になった。 「ええ、まあ……最初はそうだったんですけど、思うところがあって転職しました。一月に中途採用の募集を知って、入社したのは二月です」 「思うところって?」 「姉の自殺の真相を探るためです」 「まさか……」  さっき聞かされたばかりの話が思い出され、建樹は唖然として一耶を見た。  自分の仕事の前任者だった女性、雛形春菜は鬱病と恋人の裏切りを苦に自殺を図ったというが、その人物が一耶の姉だというのか。

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