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ブラッド&サンド ――切なさが止まらない 13
だが、若いつもりでいても十代はおろか二十代の前半に比べても体力は落ちているし、運動量も減っている。
すっかりくたびれてしまった彼はしばらく休もうと、リラクゼーションルームへと向かい、一番端にある紺色のリクライニングチェアに腰を掛けると、背もたれを倒して横になった。
音量を絞った音楽が流れるだけで、しんと静まり返った空間は薄暗く、まばらに座った会員たちは皆無言で、中には寝息をたてている者もいた。
天井に灯る小さな照明を見つめながら、建樹は溜め息をついた。
これから僕はどうなっていくのだろう──
「……建樹さん、建樹さん」
呼びかけに気づくと、こちらを心配そうに覗き込む顔が見えた。
「全然起きないから、もしかして具合が悪いんじゃないかと思った」
「あ、ああ……」
そのまま寝入ってしまったらしい。捜しに来てくれた一耶をまともに見ることができずに、建樹は目をそむけた。
「今何時?」
「八時十五分ですよ。立てます?」
一耶は建樹の身体を起こすと寄り添いながら、荷物を持とうと言ってくれ、二人はリラクゼーションルームの外に出た。
一耶の腕をそっと払い、フロアのベンチに腰掛けた建樹は不機嫌そのものだった。
「……大丈夫、平気だから。これじゃ介護されているみたいで格好がつかないな」
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