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デニッシュ・メアリー ――あなたの心が見えない 6

「ん……」  どれほど経ったのかわからない。ようやく唇を離した一耶は建樹の身体ごと、ベッドに倒れ込んだ。  その指がぎこちない動きを始め、突起に触れると建樹は身を震わせたが、それもつかの間で、すぐに右手が下へと伸びる。焦りで落ち着きを失い、性急になっているのだ。  これが若さというものだろう。同時に何箇所も、それも丹念に愛撫するなど、彼に求めるのは酷だと思う。  だが、行為に長けている、ベッドでのテクニックは抜群の男と比べずにはいられない。やってはいけないと頭ではわかっていても、身体がそうと感じてしまうのだ。  そんな恒星とのセックスを体験してしまった建樹にとって、この程度の愛撫では満足できなくなっていたはずが、それでも下の部分が反応を始め、勃ち上がっているのは男の悲しい性である。 「肌、白くてキレイだ」  一耶は割れ目に指を差し入れてきたが、その声は上擦っていて、かなり興奮していながらも逸る心を懸命に抑えようとしているのがわかる。  初めて会った時からずっと想いを寄せていた相手との情事に、気持ちが高ぶるのも無理はない。  秘密の箇所に触れた指は滑らかに円を描き、やがて内部へと入り込んで、建樹は小さな叫びを上げた。 「は……あ……」  首筋にかかる吐息がますます激しくなる。 「この辺り、感じる?」  一耶の問いかけに建樹は首を傾け、返事の代わりに甘い喘ぎを漏らした。 「ここが……いいんだ」

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