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スティンガー ――危険な香り 3
「あの日はたまたま店に立ち寄っただけです。貴方に会うつもりはなかった、もう二度と、永遠に会わないはずでした」
「それが会っちまった。運命のいたずらか、神の思し召しか。どちらにしても、あんたは俺に縁があるんだよ」
ニヤリとしてみせる恒星を睨みつけた建樹は腕を振り払おうともがいた。
「離してください! こうなったら大声を出して、誰かを呼びますよ!」
「さあ、果たしてできるかな?」
自信たっぷりに言い放った恒星は建樹の身体の前面を更衣室の壁に押し付けるようにしたあと、背後から手をまわしてきた。
その左手はTシャツの中へ、右手はジーンズのジッパーへと伸びる。建樹は思わず「うっ」と呻いた。
「ほら、ここは正直だ。されたがっているぜ」
突起をいじり、ペニスを扱きながら卑猥な言葉を耳元で囁く恒星、ロッカー内の一室でこんなことが行われていようとは……誰かに気づかれたらと思うと、気が気ではない。
建樹の心配などお構いなしに、恒星は手の動きを休めることなく続け、やがて左手は秘孔へと移動し、そこを刺激し始めた。
いつ、誰に見つかるかもわからないこんな場所で、というスリルが却って興奮を呼び起こすのか、建樹は喘ぎ声を押し殺しながら身悶え、恒星も息を弾ませつつ、固くなったものを押し当ててきた。
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