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プレリュード・フィズ ――真意を知りたい 6

「何でしょうか」  建樹が正面から男を見据え、一耶も訝しげな眼差しを彼に向ける。男は「お二人は鷹岡恒星さんのお知り合いでしょうか」と切り出してきた。 「えっ?」 「突然こんなことを申し上げて失礼かとは思いましたが、鷹岡さんと御一緒のところをお見かけしたものですから」  そこまで言うと「申し遅れましたが」と弁明しながら、男は名刺を差し出した。そこには鳶島建設㈱総務部秘書課云々の肩書きと、羽田弘司という名前が印字されていた。 「当社副社長の、鳶島将和の秘書を務めております羽田と申します。鳶島がお目にかかりたいとのことで参上しました」  建樹たちが何の返答もしないうちに、当の鳶島将和が現れた。  ルミの兄である将和はそれなりに男前だが、妹とはあまり似ていない。肩幅が広くて長身の体形といい、身につけたイタリア製の高級スーツといい、きっちりと固めた髪といい、見るからに押しが強そうで「若くてやり手の副社長」という言葉から受けるイメージを忠実に再現したような男である。 「お楽しみのところを失礼します。御一緒してよろしいでしょうか」  将和も名刺を差し出したあと、にこやかに握手を求めてきたが、どこか油断のならない感じがして、建樹は警戒しながらその右手を握り返した。

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