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オールド・パル ――想いを叶えて 4

 かぶりを振って一耶は答えた。 「遅すぎることはないよ。今からでも……」  砂浜の先にある岩場の前で足を止めると、一耶は「ゴツゴツしてちょっと痛いかもしれないけど」と言いながら、岩に建樹の身体を押しつけるようにした。 「すべてを満たす代わりに、すべてオレのものになって欲しい、いいよね」  身体を斜めに横たえる格好になった建樹の唇に触れ、舌を絡めながら、一耶はシャツのボタンをはずし始めた。  暗がりの中で露わになった胸元は白く、光っているかのように見え、一耶はその敏感な部分を右手の指で摘んだ。  舌も胸へと移り、先端を舐められ、強く吸い上げられた建樹は「あぅ……んっ」と声を漏らした。  なおも念入りに指と舌で奏でる一耶の愛撫に翻弄され、建樹の切ない喘ぎが響く。 「あっ、あっ……やっ」  静けさと闇が羞恥心を奪い、彼らは思いのまま、大胆な行動にでた。  その場に屈み込み、立膝をついた一耶は建樹のジーンズのジッパーを下ろすと、半起ちになっていたものに触れ、扱きながら口に含んだ。ざらざらした感触と、ひっきりなしに動く手に、またしても翻弄される。 「このままじゃイク、イッて……」 「いいんだ、オレ、建樹のが飲みたい」  一耶が液を飲み下す音が聞こえると、建樹は恥ずかしくなるよりも別の衝動に駆られて思わず言った。 「今度は僕がしよう」 「えっ、いいの、そんな……」

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