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第15話 新しい関係 視点:京一

「高梨くん、俺を受け入れてくれるなら……これ外してくれないかな?」 京一が優しい声で昴にそう囁くと、昴は長い沈黙の後に京一に尋ねた。 「そ、それって……京一さんは……飛鳥じゃなくて俺を愛してくれるってこと?」 「そう……だね」 飛鳥を想っていた年数をすぐに切り替えられるのかといえば、それは無理な話だとは思ったが、わざわざそれを昴に伝えて不安にさせる必要はないと言葉を飲み込んだ。しかし、京一の嘘をつけない間を感じて昴も言葉通りに受け取ってはいないのだろうが、何も言わない。 「恋人同士はこんな一方的なことしないでしょ?俺にもちゃんと愛させてほしい」 そう言われた昴は、言葉の代わりに上体を京一に近づけ両腕を京一の背に伸ばすと器用に拘束を解いた。 京一は自由になった手で優しく昴の頭を包むと自分の方へ引き寄せ、昴の唇を自分の唇に触れさせる。最初は優しく、感触を確かめていたが、そうして体が揺れることで昴の唇が薄く開かれ吐息が漏れた隙をついてぬるりと舌を侵入させる。 「はっ……んっ……ん」 昴は息を継ぐのも唾液を飲み込むのはあまりうまくはないようで口元から液体が流れ出し咥内に溜まった唾液がくちゅくちゅと音を立てる。 「も、くるし……」 昴の訴えを聞き、唇を離すと真っ赤になり、目も潤み切りとろんとした無防備な昴の表情に京一の熱が上がっていくのを感じた。 昴に乗っかられた体勢から今度は京一が昴を組み敷くように体位を入れ替える。 「ねえ、動いてもいい?」 京一が昴の反応を確かめながら問いかけると、昴はこくこくと頷き許可を出す。 それを確かめてから京一は少しずつ腰を動かす。昴の中は京一の動きに合わせて吸い付いてくるようで初めての経験である京一にとってはあまりにも刺激が強くすぐに達してしまいそうになるのを息を逃すことで必死にこらえる。 「きょ……いちさん……出していいから、もっと」 昴の脚が京一の腰に巻きつき力を込められると一度引いた腰がぐっと押し込まれ、挿入が深くなり根元まで包み込んだ勢いで京一は昴の中に放ってしまった。 「っ…………あ、ご、ごめ……」 放ってから自分がゴムをつけていなかったことに気づき慌てて引き抜こうとしたが、昴は脚で拘束した京一の腰を離そうとはしなかった。 「まだ、ここにいて」 不安そうな顔をして見上げている昴を目にしてしまうと、離れてはいけないという気持ちになり、昴に覆いかぶさるようにして両手の指を絡めてシーツに縫い付け唇を塞ぐ。 「俺はちゃんとここにいるから、そんな顔しないで、昴くん……」 あの後、京一が3度達する間に昴は1度だけ達することができたが、何人かの男と経験のある昴にとって京一とのセックスは決してうまいものではなかっただろう。 しかし、心は満たされたのか、安らかな顔で眠りについた。 京一が、サイドテーブルにセットされていたスマホを手にするが、既に通話は切れていた。 「……きっとこれでよかったんだよな」 京一は眠る昴の髪を優しく撫で、頬にキスをして昴の隣に体を横たえて眠りについた。

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