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第56話 *

 尿道責めがどれほど強い快楽を与えるのか。知識としては知っている。もちろん、試してみようなどと考えたことはなかったけど。 「まずこのブジーを挿入する。初心者だから一番細いものね」  高梨は陽斗のペニスを真上に向けて、親指と人差し指で亀頭の先端をつまんだ。小さな孔をほぐすようにそっと揉む。すると、とじていた口が少しひらいてパクパクし始めた。 「……ふッ」  刺激を与えられると、茎が硬くなる。 「あまり勃てないように。柔らかいほうが挿入しやすいから」 「……う、ん」  そんなことを言われても、簡単に調整できるものではない。  自分の足の間にいる高梨は、施術をする医師のような顔で、陽斗のペニスを支えている。やっていることはすごくいやらしいのに、彼の顔は真剣だ。そのギャップに胸がジクジクしてくる。  これはプレイか、それとも治療なのか。わからなくなってきた。  小さな孔を見つめる男の銀色の睫がわずかに揺らめく。それが、こんなときなのにとても繊細で綺麗だと思ってしまった。 「――ぁ」  プジーの先端が、孔に刺さる。つぷん、と体内に入る感触がくる。 「ぁ、はァッ」  突然襲ってきた強い刺激に、反射的に足をとじようとした。けれどそれはできなくて、内腿だけが激しく痙攣する。 「あ、や、ぁ、ぁぁぁ、ん、――ッ」  何とも形容しがたい、きつい快感だった。粘膜がこすられて、グイグイと広げられ、今まで物など受け入れたことのなかった場所が硬いシリコンに犯されていく。

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