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第57話 *

 それは未曾有の感覚だった。神経を直接、(えぐ)られているかのような。けれど、決して痛みではなかった。紙一重で快感のままでいる。 「ァあ……や、ぁ、は、あ、や、これ、これ、ダメっ」  陽斗は身をよじって首を振った。両手は拘束されていなかったから高梨の手に触れようと思えばできたのだが、そうすると刺さった場所を不用意に揺らして傷つけてしまうかもしれないという恐怖から、肘おきを握ったままでつらさを訴えた。 「ぁ、も、だめ、おねがい、もう、それ以上、入れないでぇ」  涙が目に浮かんでくる。  けれど、高梨はまるでその声を堪能するかのように、手はとめずにじっと陽斗を観察した。 「ゆっくり、そっと、入れていくよ。このまま、途中で引っかかりがくるまでね」 「もう無理、無理、あ、あ、ぁぁ……ぁ……」  陽斗の懇願にも答えず、高梨は一心にブジーを慎重に押しこんでいく。 「可愛いよ、すごく」  異物が狭い道をじわじわと進んでいくのが、顕著に感じられる。まるで細い蛇が身体の中を這っていくようだ。 「……ぁ、……ぁ、は、ぁ、はぁ……あ……ぁ……」  瞳の焦点がぼやけていく。手足から力が抜けていき、ペニスを襲う快感だけに脳が支配されていった。 「ゃぁ……あ、ん、も、もう、入らない、入らない……からぁ」 「もう少し入るはずだよ」 「もう、無理……っ」 「大丈夫。問題ないよ」 「嘘……」 「ほら、入る」

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