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第61話 *
「お」
高梨が声をあげる。避ける間もなかったらしい。
「……ぁ」
陽斗は自分のしてしまったことにショックを受けた。この人に、こんなみっともない真似を。
「……ごめ、んな、さ……」
「いいよ。イイ反応だ」
高梨は気にせず、ティッシュを引きよせてネクタイを拭いた。
「けどまだ、足りなさそうだね」
陽斗のペニスは放った後も硬く直立している。
「いじめたわけじゃないけど、意地悪したみたいになってしまったから。お詫びに少し奉仕させてもらうよ」
そう言って高梨は、まだピクピク余韻に震えている陽斗の若茎を大きな手で包みこんだ。
「今度は、優しくね。君の可愛い顔をゆっくり堪能したい」
高梨が椅子から身を乗り出し、陽斗に近づいてくる。涙や他の水分でぐしゃぐしゃになっていた陽斗は思わず顔を背けた。
「見ないで」
けれど高梨は、まったく気にしないと言った様子で、愛情深い瞳を向けてくる。
「すごく可愛いよ。嗜虐心をそそられる。こんな感情、自分が持っていたなんて知らなかったな」
高梨は涙で濡れた陽斗の頬にキスをした。
そして甘い蜜のような声で、恐ろしいことをささやいた。
「あと三回は、イかせたいね」
愉しげな響きに、陽斗は全身がゾクリと震えた。
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