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第133話 *

 陽斗は自らコットンパンツのベルトを外した。ファスナーをおろし、ボクサーパンツと一緒に腿までさげる。  そして高梨の手を取って、性器へと導いた。その奥までグッと彼の手を差しこむ。 「挿れてよ。ここに」  (つぐ)んだ場所は濡れていない。でも構わなかった。  「君は……」  高梨が悲しみを含んだ笑みを見せる。 「わかった」  そうして心を決めたように、もう一度口づけてきた。片手で体重をかけて、陽斗を弟と一緒に床へ押し倒す。  陽斗はふたりにサンドイッチされた状態で床に膝をつくと、身体を回転させ、高梨に背を向けた。  腿のあたりにクシャクシャになっているパンツをおろそうとしたら、後ろから高梨が引き抜き、すべて脱がせる。三人とも言葉を交わさなくても手順がわかっているかのように、早急に行動する。光斗が床に仰向けになり、陽斗がその上に馬乗りになった。  両手を床について、足をひらき、尻を高く持ちあげる。震える股間は高梨に丸見えの状態だ。彼とは毎夜、行為をしているのに、下肢を暴かれるのはいつまでたっても慣れない。  羞恥にギュッと唇を噛みしめると、光斗が陽斗の首に手を回してきた。 「陽斗、高梨さんに触られると、そんな顔するんだ」  少し切なげに言われて、口の端がさがる。 「なんか、大事な陽斗を取られるみたいでちょっと妬ける」  光斗の言葉に、高梨が答えた。 「僕はずっと、君たちに嫉妬していたよ」  間に挟まれた陽斗は、ふたりの言葉に戸惑った。

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