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第135話 *

 陽斗が、光斗の性器をゆるゆるとさする。すると光斗は片手で尻の狭間をひらき、もう片方の手で後孔をクチクチと触りだした。 「ハァ……んは、……あ、はぁ……」  光斗の声が次第に艶めいてくる。行為に没頭していく様子が手に取るようにわかる。目つきが曖昧になり、頬が上気し、口がひらきっぱなしになる。自分もきっと、同じような表情をしているのだろう。 「ァァんっ……ダメ、やっぱ、まだ、足りないよ……」  指を三本挿入して身悶える弟は、貪欲できりがない。 「もういいかな……君を傷つけたくないけど、僕ももう限界だ。我慢できない」  後ろで高梨が言う。 「いいよ、いいから……して」  彼のものが自分の身体の中におさまらないと、いつまでたっても安心できなくて自ら誘いの言葉を口にする。光斗はもう、欲しくてしょうがない状態に(おちい)っているから。  背後で男が服を乱す音がする。と思ったら、むき出しの狭間にひたと熱い塊が触れてきた。ヌルリと大蛇が(うごめ)くような不穏な感触がして、すぐに丸みを帯びた先端が、ぐっぽりと身体の中に入りこんできた。 「……ぁぁ、――あは……っ」  背を反らせ、頭をあげて息をはく。粘膜を押しひらく甘美な刺激に、両足が震えた。 「あ……すご……ぃ、こんな、の……」  ゆっくりと太い肉棒が体内に沈んでいく感覚は、自分の中に彼の象徴が侵入しているという事実を実感させる。  ひとつになっている。彼と自分は、今、互いの一番感じやすい場所で。 「ああ……あ、ぃ、いイィ……」  痺れるような愉悦が下肢を襲う。発情がなくとも刺激を与えられれば、神経は弦をつま弾くように震動し快楽を生み出す。

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