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第13話

目が醒めると、カイが横で腕枕をして寝ていた。硬くごつごつとした雄々しい腕は寝心地が良いとは言えないが、不思議と心地良かった。 肌からは毛布とシーツの感触で、お互い全裸なのが分かり鍛えられたカイの胸筋を見つめた。 カイの片手は腰に当てられ、すっぽりと健の躰を抱き寄せられている。 細目でカイの寝顔を眺めながら、昨日の記憶を探り、思わずむなの突起を確認した。 昨夜はルイにニードルを刺されて、ピアスを繋げ懸命に腰を動かしては中へ溢れるくらい注いがれ、そのままルイに凭れるように気を失った。 恐る恐る下を眺めた。 突起にはプラチナの輪が両方の乳首に嵌められ、先端は赤く痛々しく膨らんでいる。そしてその存在に気づくと、忘れていた痛みが下の股間からもじくじくと蘇った。 その痛みで、思わずカイから逃げようとすると、腰に回った手の力が強くなった。 「逃げるな」 カイは瞳を閉じながら、ドスの効いた声で呟いて躰を寄せ、抱き枕のように胸元に顔を埋めた。 「……んっ………。」 ぎゅっと抱き締められ、逞しい筋肉に押し潰されそうになり躰が硬直した。窓一面を覆うカーテンからは朝日なのか、光が射していた。 「もう少し寝たら、飯を食べるぞ。」 「……ッァ…ッ…!」 カイは胸の突起に嵌められた金属を噛んで軽く引っ張ると小さな痛みが走った。 「……ははっ、似合うな。」 笑いながら、また胸元に顔を埋めていつの間にかまた眠ってしまった。これ以上何かされるのではないかと警戒したが、カイはそのまま微睡ながら深い眠りについた。 艶のある黒髪が顎を撫でるように滑り、男らしく凛々しい寝顔に暫く見入ってしまった。 その寝顔とやっと乱れた卑猥な時間から抜け出せた疲労感に健もうとうとと眠そうになった。

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