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第5話
相変わらず学校の食堂とは思えない豪華な食堂。もう食堂というのはなんか失礼な気がする。レストランだここ。レストラン
相変わらず視線がうるさいが全校生徒の大半がここにいるのだ教室の数十倍に広がった視線の数にもう何も言うまいと心に決めた。
「勇気今日は何食べんだ?」
「カルボナーラ」
「心は?」
「スタミナ定食。響もそれ食べろ」
なんだそれ夜の為の準備か?内心苦笑しつつ注文する。
食事が運ばれてくるまで勇気にどうやって生徒会に近づくかを聞いてみたら大丈夫!任せて!なんてよく分からない返事が返ってきた。
「おい!生徒会てどういうことだよ」
あー、言ってなかったっけ?説明するのはめんどくさいなーなんて思ってたら俺の考えがわかったのか勇気が代わりに説明してくれた。
「そんな作戦ダメにきまってんだろ」
「えー!響なら出来るって!ついでに俺に萌えを提供してくれるって!」
心の怒りに見当違いな答えを言ってる勇気に余計心が怒りをましていく。まぁ心が怒ったところで俺はその作戦をやるつもりだからどうしようもないが
「心、これは決定事項だ。嫌ならもう関わるな」
冷たかっただろうか。傷付いた顔になる心に少し申し訳なくも思うが別に恋人でもないし、俺が心以外も抱いてる事は心も知ってる。一番のお気に入りではあるけど兄上と勇気より大事だとは思っていないから勿体ない気もするが今回の事は俺の大事な人達の頼みなんだから邪魔するなら切り捨てるしかない。
「いやだ、捨てないで」
今にも泣き出しそうな心にギョッとする。え?どうしちゃったのこれ?わけもわからず勇気に助けを求め見てみればニヤニヤしながら手には携帯を持っていた。
つまり勇気にとって美味しいシチュエーションらしい。ったく仕方ない。
「悪かった。捨てないから今日は一緒にいてやるから泣くな」
ぎゅっと抱きしめながら慰めてあげれば勇気からグッと親指をたてられた。
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