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第33話
ちょっと味見していいかな?
「会長、ちょっと待ってて」
奈央を抱えあげ奥にある仮眠室に向かう。
せっかく心地良い体温だったけどなーまぁ、あんな体制で寝るよりベッドで寝かせたほうがいいだろう。今更だけどなんて思いながら奈央をベッドに寝かせてまた部屋に戻れば大人しく会長が待っていた。
「会長どうしたい?」
未だに突っ立ってる会長の前に俺も立つ。
会長も俺より低いからな俺を見る為には必然的に上目遣いになる。
パクパクと口を開け閉めしてるがプライドが許さないのか言葉は出て来ない。
「言わないとわかんねぇよ?」
キッと睨みつけてくるけど、可愛いだけなのに。
仕方ないなー甘やかす気なんて更々ないからね。
何も言わない会長から離れてせっかくだから会長席という一番いい席に座らせてもらう。
それを黙って見送る会長の目は寂しそうだが、言わない会長が悪いから仕方がないだろう。
「ほら、会長、言わないんだったら別に俺は何もしなくていいんだけど?」
「ッツ、なんで」
「何?」
尊大な態度しかとってこなかった会長はキツイだろうな。俺は可愛いおねだりがみたいだけなのにさ
「会長、こっちに来て」
ゆっくりと俺の目の前にきて何かを懇願するような目で俺を見てくる。
「キスして欲しいなら可愛くおねだりしてみて?」
「なッ、そんなこと」
「出来ないんだったら別にいいよ?奈央ももうすぐ起きるだろうし。」
「なんであいつに」
「言ったよね?俺はバカは嫌いだ。人に仕事押し付けて遊び回ってる会長に俺がどうして優しくしないといけねぇの?」
傷付いたような顔になる会長。
「会長にそんな顔する資格はねぇよ?」
さぁてどうするのかな?それなりに遊んでた筈の会長なのにねぇたった一回のキスでここまでなるのかか?
甘えたいだけか?よく分かんねぇーな
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