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第34話
会長が何も言わない。
意気地ないなぁ。
「会長。残念ながらタイムリミットだ」
仮眠室の扉が開く音がしてそちらに向かう。せっかく味見しようと思ったのに。
会長の横を通る時に
「会長が仕事頑張ったらご褒美あげるよ」
耳元で囁いて会長に部屋から出て行くように促した。
「奈央、起きたんなら飯でも食べ行くか?」
「響ちゃんまだいたのー?て、本当に仕事してたのー?半分も終わってんじゃん」
まぁ、俺は優秀だしなー先程まで自分の机の上に置かれていた書類の山が少なくなってることに驚く奈央。
「ごめんねー俺寝ちゃって」
「気にすんな。俺が好きでやったんだから。飯食いに行くぞ」
「えー」
「ほら行くぞ」
奈央の手をとって寮に向かう。きっと勇気が準備してくれてるはずだ。
「ちょっとー食堂じゃないのー?」
「ん?俺の部屋」
「え?」
「大丈夫。ちゃんと飯食ってからしか襲わないから」
「えー俺襲われちゃうわけ?」
「おー、俺のデザート」
なにそれー無理なんだけどなんてごちゃごちゃ言いながらもついてくる奈央に思わず笑ってしまい奈央は恥ずかしかったのか顔が真っ赤にそまっていた。
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