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第38話

ーーーSide裕翔 「今頃響は奈央くんを美味しくいただいてるんだろうねー」 なんて、僕の気持ちを知りながら新垣くんはそんなことを言う。 置いていかれた。 というより部屋に戻ってきてから響さんは僕のこと一切見なかった。まるで僕がいないみたいに 「だから言ったのにー響に惚れるなんて無駄だよって」 新垣くんはなんでも見透かしてるみたいで怖い。 僕が何を考えてるのか全部わかってるみたい 「まぁー好きになってもらえなくても俺が頼めば一回位なら響は抱いてくれるから安心して」 「そんなのやだよ」 「なら諦める?このまま何もなしでいいー?良いコぶってないでさー思い出に抱いてもらいなよ」 新垣くんの考えは分からない。なんでこんな人が響さんの友達なんだろう 「響はねー俺の頼みは断らないからねーせっかくだから俺を利用したらいいのに」 怖い怖い。でもやっぱり彼の甘美な誘惑は俺の邪な思考にはとても魅力的だ 「そんな物欲しそうな顔してさー俺におねだりしてみたら?」 可愛い顔なのに目は恐ろしくて、でもそこから目を反らすことができない 「ほら、おねだりは」 「欲しい、響さんがほしい」 「良くできました」 頭に感じる撫でられる手は響さんとは違って小さくて、冷たく感じる 「もうちょいまっててねー響にもご褒美あげた後じゃないとさすがに俺のお願いきいてくれないから」 響さんへのご褒美ってなんだろうか。 新垣くんは僕の知らない響さんを知ってる。羨ましい。唯一自然と近づくことを許されてる新垣くんがとても羨ましいんだ。

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