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第46話
ーーーSide裕翔
響さんは教室に来ない。新垣くんもだ。
どこに行ったんだろう。
那珂川くんは寂しそうに響さん不在の机をながめてる
「那珂川くん」
「なんだ」
「新垣くんの事なんだけど」
あの怖い裏の顔を響さんは知ってるのかな?それを聞きたくて声をかけたけど、新垣くんの名前を出した途端那珂川くんの顔は怖いくらい強張った
「新垣?あいつがまたなんかしたのか?」
「いや、何にもしてないけど、新垣くんと響さんの関係って、なに?」
「響いわく幼馴染だってよ」
「なんであんなに響さんは新垣くんの言う事きくの?」
「響は特殊なんだよ。あいつの中では自分の兄貴と新垣以外の俺らは簡単に切り捨てられるくらいの気持ちしかもたねぇらしい」
「どういう事?」
「知るかよ!俺がどんだけ望もうとお前がどんだけ望もうと新垣が関係切るって一言言えばそれで終われる位の存在なんだよ俺らは」
僕よりも前に那珂川くんは響さんに惚れてる。僕よりも大切にされてる。その位僕だってわかるのに、それでも新垣くんが言えばそこまでの関係ってますます意味が分からない
「お前も響が好きなら新垣には気を付けろ」
気を付けるってなにを?
僕の事なんてそのへんに転がってる石にくらいしか思ってないんだろう響さんが新垣くんが言えば目に入れてもらえるんだって
何を気をつけるの?僕よりも近い存在の君が何を言うの?
「お前、」
「なに?」
「いや、なんでもねぇ」
どうしたんだろう?どこか気まずそうな那珂川くん。
いいなー羨ましいなー僕もキスしたいなー
生徒会の皆様の親衛隊の気持ちか今更ながらに分かる。心はもらえなくても、体だけでも、一瞬でいいから僕のことを目に入れて欲しいって気持ち
これが恋なんだろう。
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