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第52話

ーーーSide碧 初めて響を認識したのはちょうど一年前ぐらいだった。 風紀の仕事として見回りをしていた時に見つけた強姦の現場。今にも襲われそうになっていただろう新垣を見つけ助け出そうと駆け出したときにはどこからか現れた響が全員ぶっとばしていた 「響ーありがとー」 襲われそうになってた筈の新垣は元気そうで助けた響は泣きそうになっていた 「勇気、無事か?」 「響が助けてくれたからね」 新垣は下まではかろうじて脱がされてはいなくだが近くには無残にも引きちぎられたであろうシャツが転がっていた。 響は新垣に自分の上着を着せそのまま抱きしめた後新垣の口に自分の口を合わせていた。 こいつらそういう関係か。 この学園でもレベル高い可愛い顔の新垣と野暮ったい響。釣り合わねぇなと思ったのも束の間。二人の口が離れその二人を繋ぐかのようなどちらのものとも分からない唾液がキラキラと光っていてそのときに見えた響の綺麗な横顔と切なそうなその目に心臓がドクリと大きくはねた。 嘘だろ それなりに色んな相手とやってきた俺がこんなデカイ野暮ったいとも思ってた奴に見惚れるなんて 初めての感覚。気付いたときには失恋 なんだそれは。 ほしい。こいつがほしい 初めてのの渇望 やめてくれよ。頭では分かってるはずだが、目が離せない。そんな俺の視線に気付いたのは響じゃなく新垣で、俺を見た瞬間ニヤリと新垣の口角があがった。 その後事の顛末を風紀室で取り調べ二人は寮に戻っていった。 響の事が頭から離れない。だが、あの新垣の顔が何か嫌な思いにさせる。 頭の中でぐるぐると二人の事がまわる。 だめだな。と思いながらも寮の自室へと戻った。

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