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第61話

ーーーSide楓 あれからほどなくして寮に戻ってきた。 流は友達のとこ行くと言って去っていってしまった。 昨日まではそれについて行ってたが今はそんな気分にはなれなかった。 ソファに座りお気に入りのハーブティーを飲みながら心を落ち着かせていたらガチャリと扉が開く音が聞こえた。 流にはいつでも来れるようにカードキーを設定してたから流が来たのだとおもったけどそこにいたのは新垣勇気だった。 「どうやってここに?」 「響から借りてきた」 ブラックカード。学園のどこにでも入れるゴールドカードのその上。寮の部屋もどこにでも入れるマスターキー。 何故そんなものを一般の生徒がもっているのか 「それをどうして」 「企業秘密」 クスクス笑う顔は可愛いのにどこか狂気をはらんでいる。 「そろそろさ、響が限界なんだよね」 「なんの」 「響は目立たずひっそりと生活したかったのにあのマリモと君達生徒会のせいで色々うごきまわってるわけ」 「なんで彼が」 「ある人に頼まれたからねー響にとって最愛のある人に」 「最、愛?」 あの綺麗な新郷響の最愛? 何故かそれを聞いた瞬間胸の中にドロリと汚いものが渦巻いた気がした 「きになるー?でも、教えなーい」 「別に興味ありません」 「本当にー?響が欲しくなってるんじゃないのー?あの極上の雄を」 「そんなこと」 「ないのー?残念。副会長響のタイプに近いから生徒会に戻りちゃんと仕事をしたら相手してくれるのにー興味ないなら仕方ないなー」 誰が誰を相手するって? 「ほらー欲しそうな顔してんじゃん。欲しいなら明日朝イチで全員で生徒会室に行ってねーマリモは連れて行かないでね」 そう言い残し新垣勇気は部屋を出て行った。 私は、私が欲しいのは流ただ一人 そうですよね?

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