72 / 103
第72話
誰が自分の兄貴のキスシーンなんて好き好んで見たいかよ。昔凛が言ってたな。
すっかり気を失った勇気の背中を撫でながら漸く顔を上げれば傷ついたような顔をするものと顔を真っ赤にそめてる奴等にわかれてる。
「勇気になんかいわれたか?」
「響。そいつなんだよ」
そいつって碧ひどくないか?
「んー?勇気?」
「そういうことじゃねぇよ」
だよねーわざとだから怒らないで欲しいな
さっきから顔を合わせようとしない昴も気になるし心配そうに勇気をみる奈央も気になるし。どうするべきか
俺説明下手なんだけどね
「何がききたいのー?」
「お前にとってそいつがなんなのか、のそいつの正体」
んー?正体っていっても勇気は勇気だし、幼馴染だし、でもその答えじゃ納得しないんでしょ?
でも、部外者に聞かせたくないんだよね
「んー誰にでも教えれる話じゃないしな」
「俺には言えんだろ」
「碧はね、聞きたいならね、」
「俺は」
「心もしりたいの?」
「当たり前だ」
「そっかー知っても楽しいことないけどね。奈央は勿論知りたいのかな?」
この中で唯一勇気の心配をしてる奈央に聞けばコクリと頷いた。
「なら今度教えてあげるからさ今日はもう勇気寝かせてあげたいから解散ね」
結局昴は顔を合わせてはくれなかった。
ともだちにシェアしよう!