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第77話

ーーーSide裕翔 響さんが倒れた次の日の朝誰も部屋にはいなかった。新垣くんは響さんの部屋に寝てたはずなのに、随分前に部屋を出たのかシーツは冷たくなっていた。 教室に行っても新垣くんも響さんもいなくて、那珂川くんは何か知ってるのか泣きそうな顔で響さんの机に座っていた。 「響さんは?」 「響はいない」 「どういうこと?」 「暫く学校には来ない」 「どうして?」 「知らねぇよ。俺が知りたい位だ」 新垣くんの弟が那珂川くんに伝えに来たらしい。 どうして?どこにいるの? なんで僕は知る権利がないの? 誰も知らなかったのか皆愕然とした顔をしていた。 「新垣凛くんに聞けばなにかわかる?」 「あいつは何も教えてくれねぇよ。」 なんで?響さんの側にいれるはずじゃなかったの? ずっと待ってたのに。 僕は流の部屋に戻った。 生徒会が戻った今は無事だろうと風紀委員長に促されて。 あの部屋にいたかったけど認めてくれなかった。 それが僕と響さんとの距離なんだって。

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