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第79話

やっぱり凛も驚くよな ーボクー と呼ぶ勇気は遠い遠い昔に閉ざした心の勇気。 「まぁ、こんなんだから、勇気は俺の部屋に連れて行く。」 「あぁ」 一人にしておけないしな もう少し籠もってたかったけど兄上帰ってくるし。 「勇気、ご飯なににする?」 「パスタ」 「好きだなそれ」 て言っても作るのは勇気だしな。 買い物して部屋に戻るか。昴達は元気だろうか? 何も言わずに留守にしたからなぁ怒ってるかもなー でも、 「響はボクの側を離れないよね」 「うん」 勇気が戻らないから会いには行けないな ボクが悪いんだ。ボクのせいだ。ボクが殺したんだ。 まだ小さい勇気が自分を責めるその顔が頭によぎる。 勇気のせいじゃないよ 何度も何度も伝えたが俺の言葉は届かなかった。 ボクがわがまま言ったから 勇気はわがままじゃないよ その言葉が俺と勇気を縛り付ける。 ボクが間違った事言ったから 勇気は間違ってないよ その証明の為に俺は勇気の願いを叶える。 狂ってる。凛に言われたのはその言葉。 狂ってないよ、俺がそうしたいからしてるだけ。 この小さい体を守るって決めたのは俺自身だから。 だからね 「勇気、奈央はいいの?」 「会計くんー?なんでー?」 勇気の心に俺以外の大切なものは作らせない。 だって、相手がかわいそうだ。

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